「イヤフォン買いたいんだけど何がいいの?」
「良い音のイヤフォンでオススメを教えてほしいんだけど」
もともと音楽をやっていたせいか、ときどきこんな質問をされます。最初のうちは聞かれたときどう答えたらいいのか困っていました。
なぜなら特にイヤホンにもヘッドホンにも詳しいわけではないし、当然のことながら良い音質というものはそれなりに価格もするもので、かといって高いものを言えばいいかっていうのも少し違います。
お金があるなら多分僕には聞いてこないでしょう。聞いてきたのは音楽好きな人が選ぶ“コスパのいいもの”を教えてほしい、という背景があったからだと思うのです。
また人によって「良い音」というのは違います。
歌がハッキリと聞こえているものを良い音と思う人もいるし、重低音がしっかり出ているのが良い音と思う人もいます。人によって「良い音」の好みが違うわけです。
ヘッドフォンでいうと、SONYのMDR-CD900STが良いといわれています。オーディオ好きの人はもちろんですが、音楽業界でもファンが多くいます。なのでレコーディングスタジオに行くと必ずといっていいほどこのMDR-CD900STのヘッドフォンが置いてあります。
これは何がいいかというと、全体のバランスがとても良いんですね。歌もギターもベースもドラムもキレイに聞こえるんです。
レコーディングのように周りの音を聞きながら歌ったり演奏するのにベストなヘッドフォンということなんです。2万円を切っていて小さなレコーディングスタジオでも置いておきやすい価格だということも人気の理由です。
なので、「高音が強く出るものがいい」「低音重視で」といった好みがない人にオススメするときはバランスが良く聞き取れたうえで音質が良いものというのを私は人にオススメしています。もちろん希望の価格帯も聞いたうえで。
そんななかで中・高生やイヤフォンにお金をそこまでかけたくない人にオススメしているのがファイナルの「E1000」です。
[toc]低音から高音までバランス良いEシリーズ
累計30万台を超える出荷数を記録したのがこのファイナルのEシリーズです。E3000は2018年度のヘッドフォンアワードのエントリークラス部門賞を受賞し、イヤフォンでは間違いのない定番ともいえます。
特にこのE1000は、高価格帯の「E3000/E2000」、続いてリケーブルモデル「E5000/E4000」のあと「もっと多くの層にも使ってほしい」という思いから、低価格を狙って発売しました。3,000円以内という低価格帯でありながらEシリーズの良さである全体バランスと音質の良さをほこります。
ここでいう音質とは、音の粒子、つまりどれだけキレイにしっかりと聞こえるかを指します。人によってはこれを「音の解像度」といったりします。
もちろん上位互換となるE3000やE5000に比べると劣る部分はあるのですが、それでも高域の音の伸びもしっかりと聞こえるし、低音とのバランスも抜群にいいです。
音の粒子がしっかりと聞こえるということは音量を小さくしても聞きとりやすいということです。
メーカーもそこは意識して開発したそうで「イヤフォンを替えるだけで、大好きなアーティストが耳元でささやき、飽きるほど聴いたイントロが全く違った音楽に聴こえる。そんな心を揺さぶられる経験を提供するべく開発した」と語っています。
この「飽きるほど聴いたイントロが全く違った音楽に聴こえた」というのは凄く上手い表現を使うなって思ったんですが、そのとおりなんです。
最初の1音が鳴ったときに体がビリビリッてくる感覚というか、本能で「これは凄い!いままでと全然違う!」という感覚、いままで体験したことあるでしょうか?
もしなければこのイヤフォンで味わうことができます。この感覚は文字通りシビレますのでぜひ体験してほしい。
バランスが良いということは素直な音の特性を持っているということであり、ミュージシャンがCDを完成させるときはスピーカーやイヤフォンに余計な調整はせずフラットに聴こえるようにして作っています。
なのでミュージシャンが「一番聴いてほしいバランス」で聴くことができているということなんです。
イヤフォンの入門機として間違いのない製品なので、特に音の好みもなくイヤフォンにそこまでお金をかけたくない、という方には僕は間違いなくこのE1000をオススメしています。
ファイナル「E1000」スペック
商品名 | E1000 |
ブランド | ファイナル |
形式 | カナル型 |
ドライバー | 6.4mmダイナミック型 |
感度 | 102dB |
インピーダンス | 16Ω |
ケーブル長さ | 1.2m |
プラグ | 3.5ミニ |
重量 | 15g |
付属品 | イヤーピース |
Eシリーズの上位互換「E3000/E4000/E5000」
音の空間表現力が抜群な「E3000」
音の厚みが印象的な「E4000」
奥行きと深みを感じさせてくれる「E5000」
佐保祐大
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